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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
with a camera in Bandai Town 1
 『ゴジてれChu!』木曜恒例「ぶらカメ」のコーナー、今回は会津の磐梯町(ばんだいまち)にお邪魔しました。
 磐梯町は猪苗代湖から見て北西側、磐梯山を擁する町で、面積59.79平方キロ、人口3300余人です。最澄と仏教に関する論争をした僧、徳一(とくいつ)が開いた慧日寺(えにちじ)跡(国指定史跡)があり「会津仏都」としての歴史も深く、米などの農産物や酒が特産品です。

夏の慧日寺跡がどんな所か気になる方は、こちらをクリック。
 
道の駅から磐梯山がくっきり見えた。
道の駅から磐梯山がくっきり見えた。
国史跡「慧日寺跡」は冬は休館中。
国史跡「慧日寺跡」は冬は休館中。
 この日は寒波がやってきた翌日で、町中でも雪が薄ら積もっています。そんな町をぶらぶらしていると、仲睦まじく散歩をしているご夫婦に出会いました。
「昔は山に山菜を獲りに入ったけど、いまは家で山菜を育てています。」
 季節になると、畑でタラの芽等の山菜が収穫できるそうです。
庭先の木も「雪つり」(雪の重みで枝が折れないように縄で枝をつる)。冬の風物詩だ。
庭先の木も「雪つり」(雪の重みで枝が折れないように縄で枝をつる)。冬の風物詩だ。
寺の境内を散歩するご夫婦が…。
寺の境内を散歩するご夫婦が…。
「ワンワン!」
という元気の良い鳴き声とともに、ご夫婦のもとに走ってくるワンちゃん。犬の散歩中だったんですね。それにしてもワンちゃんは元気で、寺の境内を走り回ったり、1回だけ吠えたもののすぐに私やスタッフに飛びついたりと、愛嬌を振りまきます。
「この子は、本当に人懐っこいんです。」
 因みにワンちゃんは文部省唱歌の『ゆき』のように、雪が好きなのでしょうか?
「嫌いだぁ、寒がっているもん。」
このワンちゃんと散歩中だったのですね。
このワンちゃんと散歩中だったのですね。
ご夫婦によると、ワンちゃんは帰るとストーブの前に陣取るらしい…。
ご夫婦によると、ワンちゃんは帰るとストーブの前に陣取るらしい…。
 それでも散歩中は元気な11歳になる“龍ちゃん”、以前はほかに3匹の仲間がいたそうです。
「保護犬等を育てたりしていたんですが、いまは龍ちゃんだけ。可愛くてしようがない。」
と愛される龍ちゃん。突然の声掛けに対応して頂き、有難う御座いました。寒いので転んだりしないように…と思っていたら、スタッフに
「そこの鉄板の上、乗るなぁ。滑るぞ~。」
 私らの方が気を付けないといけないようです。
人が大好き♪
人が大好き♪
相思相愛なのでした。
相思相愛なのでした。
 更にその先に進んでいくと、朝早くから暖簾の出ている店があります。杉玉がぶら下がっている…という事は、、、
「こちらは店なんですが、裏に蔵がありましていまちょうど仕込みの最中です。」
 対応して下さったのは奥様。幸い番組を見て下さっていらっしゃるようで、ご主人を紹介してくださいました。
暖簾と杉玉がさがるお店が…。もしかして…
暖簾と杉玉がさがるお店が…。もしかして…
奥様が「仕込みの最中です。」と教えて下さった。
奥様が「仕込みの最中です。」と教えて下さった。
「あ、どうぞ。古いところで、びっくりするかも知れませんが…。」
 こちら磐梯酒造のご主人曰く、創業は1890(明治23)年創業と言いますから、今年で131年の老舗酒蔵。磐梯山が噴火(爆発)したのは1888年ですから、その直後に酒造りを始めたという事になります。
 木の引き戸を抜けたそばには、商品の一部が並びます。
酒蔵へと案内してくださるご主人(社長)。
酒蔵へと案内してくださるご主人(社長)。
こちらは店の裏にある蔵の入口。石柱や木戸に歴史を感じる。
こちらは店の裏にある蔵の入口。石柱や木戸に歴史を感じる。
「新型コロナウイルスの影響で、飲食店での酒の消費が伸びないものですから、一升瓶が売れないんです。四合瓶がよく売れます。」
 更に中に入ると、仕込みの仕事をしている方々が働いています。
「きょうは、今年最初の仕込みが終わったところです。タンク1本だけだったんで…。作業は朝早いんですよ。」
 あら残念。その仕込んだタンクが奥にあるというので見せて頂きました。タンクにはメモ書きがあります。
新型コロナの影響で四郷瓶(≒家庭用)が売れるという。
新型コロナの影響で四合瓶(≒家庭用)が売れるという。
仕込み作業は朝早くに終わるという。
仕込み作業は朝早くに終わるという。
「ここに仕込んだ日と、その時の温度などを書いておきます。靴を脱いで、覗いてみてください。」
 タンクの中を特別に見せて頂くと、甘い香りとともに真っ白な液体がタンクになみなみと溜まっています。既にぷくぷくと反応も始まっているようです。
「気温が下がらないんで調整はしているんですが、発酵が早くて…。」
 酒造りの難しさもあるようです。
タンクには仕込んだ時の情報が書かれている。
タンクには仕込んだ時の情報が書かれている。
シートをどけると甘い香りと、ふつふつ発酵する様子も…。
シートをどけると甘い香りと、ふつふつ発酵する様子も…。
 そのタンクの入口には、神棚があります。
「こちらは松尾大社を祀っています。京都の日本酒の神様で有名な所です。」
 神聖なところにお邪魔しました。因みに水は何を使っているのか尋ねると、
「うちは地下水をくみ上げています。磐梯西山麓湧水群があるので、美味しいんですよ。」
 何でも火山で出来た地層と、ブナやミズナラの森が作る落ち葉の層で長い時間かけて水が濾過され、円やかな軟水になるそうです。
「水が美味しくないと、日本酒も美味しくないんですよ。例えば米と糀で作った15度の日本酒があるとすれば、残る85%は水な訳ですよ。85%が美味しくないと、全体も美味しくないでしょ?」
 何とも明解な説明で、納得です。こちらの酒蔵には地下水をくみ上げて一旦寝かせておく専用のタンクもあります。
タンク群の入口には神棚が。酒の神様や氏神様などが祀られている。
タンク群の入口には神棚が。酒の神様や氏神様などが祀られている。
地下水を寝かせておくタンク。保健所の検査済み。
地下水を寝かせておくタンク。保健所の検査済み。
 こちらは何でしょう?
「うちは室(むろ。糀を作る部屋)が2階にあるんですが、高くて階段が長いんです。しかも昔の作りの階段で急で行き来が大変だというので、今年”エレベーター”を手作りしてこれで2階の室に蒸し米を運んでいます。いやぁお恥ずかしい。」
 いえいえ、手作り感が素敵です。こちらのタンクも、冬の仕込みで埋まるのでしょうか?
「例年ならこっちにあるタンクも満杯になるんですが…でも米は仕入れましたので、量は試行錯誤しながら…。」
との事。やはり新型コロナウイルスの影響がまだまだ残ります。
ここに蒸し米を載せ…
ここに蒸し米を載せ…
天井(2階の床)を開けて、室へ運ぶ。
天井(2階の床)を開けて、室へ運ぶ。
「酒は悪くないし、飲む人も悪くない。飲んで(対策をしないで)騒ぐと、感染する確率が高くなる。飲み方を注意すれば良いんですけどねぇ。徳光さんも日本酒を応援してくださいよ。」
 御尤もな話であると同時に、福島の日本酒は美味しいですから、勿論応援しますよ。

 戻る途中に、蔵で働く方々を紹介してくださいました。作業を終えて、あすの仕込みに向けて使った布を櫂(かい)で洗っているのだそう。
「女性2人が、糀担当なんです。」
酒の話になると、熱がこもる。
酒の話になると、熱がこもる。
櫂を使って洗浄作業。2人の女性が糀の担当だそう。
櫂を使って洗浄作業。2人の女性が糀の担当だそう。
 その内の1人は、かなり若い女性です。何でも会津の出身で、東京でワインのような美味しい日本酒に出会ったことが切っ掛けで、地元に戻った際、酒造りに関わりたくてこちらの酒蔵に入ったそう…って、失礼ながら年齢を伺うと
「●●歳です。」
 えええっ!?実際より相当お若く見えます~。
「社長、聞きました?」
と喜ぶ女性。日本酒が好きだそうで、適量を飲むと若さを保てるのでしょうか??
「ここのお酒は木の香りがして、美味しいんですよね。」
 木の香り?ウイスキーは樽に入れるので分かりますが…
「造る時に櫂で混ぜるので、その香りが移るのではないでしょうか。」
 こちらは洗う為の櫂ですが、よく仕込みタンクの中を混ぜる際にも使いますし、工程の中で木の道具等を使う事もあるようです。なるほど、そういう繊細な移り香もあるのですね。
 皆様、きょうのお仕事、お疲れ様でした。
会津出身の糀担当の女性。
会津出身の糀担当の女性。
ここの酒は木の香りがして好きだという。
ここの酒は木の香りがして好きだという。
 さて戻る途中、社長がこちらも見て行って下さいと或る部屋に案内してくださいました。
「ここは検査場(けんさば)と言って、税務署の職員が帳面を見に来た時に昔からお通ししていた部屋です。」
 そこはちょっとした貴賓室的な部屋で、テーブルや椅子がモダンで、絵画なども飾ってあります。
税務署の職員が通される部屋へ…。テーブルやソファがレトロ。
税務署の職員が通される部屋へ…。テーブルやソファがレトロ。
大きな絵も飾ってある。
大きな絵も飾ってある。
「いまの税務署の職員の方は、お茶は飲みますけど、(出した)お茶菓子には手を付けませんね。」
 ちょっとでも誤解を避ける為なのでしょうね。そんな部屋には、額も掲げられています。
「この『和醸良酒』は社是です。読み方が2つあって、1つは右から『和を以て良い酒を醸す』。詰まりは蔵人が一丸となって協力して良い酒を造るという事ですね、これはほかの仕事でも同じ事が言えると思います。もう一つは、こちらの方が私は好きなのですが、『酒を良くして和を醸す』。詰まり酒を美味しくして、酒を飲む人達に和みの場を醸し出す、という事です。そういう和を醸す美味しい酒を造っていくんだよ、という意味の方が好きで、ここで働く人にも言っているんです。」
 なるほど、美味しい酒を通して楽しい場や交流が生まれるのは素敵な事ですよね。
検査場には、社是とも言える四文字が額に掲げられている。
検査場には、社是とも言える四文字が額に掲げられている。
和みを醸すような酒を造ろう!という願いがこもる。
和みを醸すような酒を造ろう!という願いがこもる。
 因みにこちらの酒蔵は一般の見学は受け付けていませんが、地元の小学生の学習見学は受け付けています。
「これ皆が手紙をくれて、涙が出るほど嬉しくって飾ってあるんです。」
 社長が好きな手紙の一つが、こちら。
「『寒い中でも頑張っているのが凄いと思いました。僕だったらずる休みしそうです。』って面白いでしょ?」
 確かに。と同時に「和醸良酒」の「醸」はまだ習っていないだろうに、一所懸命書いている健気さにも感動します。
地元の小学生には、見学の機会を設けている。
地元の小学生には、見学の機会を設けている。
「醸」の字を一所懸命書いたのが伺える手紙。
「醸」の字を一所懸命書いたのが伺える手紙。
「折角ですから、試飲していってください。」
 ではお言葉に甘えて…(つづく)。

その2「磐梯酒造 選りすぐりの逸品を2品」はこちらをクリック。
伝統の道具には味わいがある。
伝統の道具には味わいがある。
試飲タイムです♪
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